足して2で割る

対面しているその人にその人の知らない人の顔がどういった具合であるかを説明するときに

〇〇と△△を足して2で割ったような顔ですよ

と表現する文化が日本にはもやもやと蔓延っております。

私も何度か挑戦してみたことがありまして、〇〇と△△の穴を埋める文句(主に人物)がぽぽんと浮かんできたのでよっしゃ例のやつをお見舞いしたろかいなと口を走らせるところまではいいのですが、どうもこの2除算表現、私にとっては短歌を一つ詠み上げる程に長く感じてしまい途中でスタミナ切れを起こして

〇〇と△△を足して2 へなへなへなへな...

と萎れゆき、数秒前まで陽気にジェスチャーをしていた手もだらんと垂れ下がってゆき、早押しクイズと勘違いした相手に「垂乳根」と答えられる始末です。

短歌程長く感じる(軽自動車程大きいみたいな感じでよろしくないな)と言いましたが、短歌を詠み聴かせる場合は相手がその全貌を知らないので一体どういう仕上がりになるのかしらと期待で胸をへなへな...なのですが、2除算表現の場合、まさか〇〇と△△を足して2で割ったものにルートを被せたところから x の二乗を減じて...といった計算式になるとは誰も思いませんので

〇〇と△△を

と言ったあたりでもう大抵の相手は2で割る結末がわかっているでしょうから、どうしても相手の想像通りのことを言うのが気恥ずかしく、しかもその無意味な時間が1.5秒程続くことに耐え難さを感じて皆まで言う気が失せていくのです。

この問題なんとかならないものかとしばらく頭を悩ませておりますと、一つ画期的な案を思いつきました。それはとても現代の若者らしくカタカナ語、略語を使って2除算表現を以下の様に言い換えようではないかという提案です。

〇〇と△△をアヴェったような顔ですよ

〇〇と△△の二者を足して2で割るということは、〇〇と△△の平均を取るということです。平均は英語で【average】(アヴェレージ)ですね、もうこれ以上はへなるので言いません。

もちろん私も日本語表現というのは大切にしていきたい所存ですから、何でもかんでも略して言う所謂若者言葉については如何なものか、慎むべきだと思うのですが、今回に限っては日本人の心身の消耗を招き、労働、勉学、趣味に割かれるべき時間を奪っているこの長ったらしい表現をあえて略語を使ってコンパクトにして気軽に使えるものにしようと試みたわけです。

〇〇と△△をアヴェったような顔ですよ

いかがでしょうか、これならさらさらと言えそうではありませんか。さあベッドから出て家族や友人に早速試してみましょう。何あべったって?ビエネッタ?と聞かれると思います。足して2で割るということだよと答えましょう。

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